1999年12月28日 和歌山東警察のやり方です。
もし 自分の子供であったら警察官は こんなやり方をしたのでしょうか?
 丸谷康政
和歌山市立城東中学校3年4組
| 看護婦 | 
      丸谷さんはどちらにいますか。 | 
    
| 私 | 
      はい。わたくしです。 | 
    
| 看護婦 | 
      いまから市役所に行って、この書類を持って保健医療のできる様に手続きお願いします。それからタオル10枚とゆかたと紙オムツも買ってきてください。 | 
    
| 私は書類を持ってICUに入る家族にこのことを話しました。私の話を聞き少し希望を持ったようです。そして康政に伝えました。 | 
    |
| 私 | 
      康政、いまからお父さんは市役所へ行ってくる。お前がここへ入院できるための手続きをしてまた帰ってくる。康政、最後の試合覚えてるか。あれよかったな。最高やったな。今度負けたらあかんぞ。勝つんや。それからな、入学試験のことは心配するな。大阪学院、大阪学院行かしてやる。お父さんが、先生にたのんで行かしたる。そやさけ、絶対死んだらあかんど。 | 
    
| 私は康政に念を押して市役所へ向かいました。時間との戦いです。12月28日は御用納めです。市役所へと国民健康保険課へと急ぎました。 | 
    |
| 市職員K | 
      お宅のおっしゃることはよく理解できました。ただ事故とか自殺とか、こういった場合は保険は使えませんので、よく事故の内容を調べないと、こちらでは今すぐに印鑑をというわけにはまいりません。 | 
    
| 私 | 
      日赤から連絡がきていないのですか。 | 
    
| 市職員K | 
      救急車で運ばれましたか。年令はおいくつ。 | 
    
| 私 | 
      はい。15才です。 | 
    
| 市職員K | 
      いま私のところに入っている報告は9才の幼児一件だけです。この子は交通事故です。 まだお宅様の場合は私共のほうに連絡が入っていませんので、御要望には答えられません。  | 
    
| 私 | 
      保健医療の許可がなくては、私はどうすればよいのですか。 | 
    
| 市職員K | 
      保険を使わなくとも治療は受けられます。 | 
    
| 私 | 
      いま、息子はICUに入っているのです。保険がきかいないとお金がつづきませんよ。 | 
    
| 市職員K | 
      規則はまげられません。 | 
    
| 私はどうしても保健医療が受けられる様にと、別の職員にお願いするようにしました。そして、その人を尋ねて4Fの会議室に向かいました。 | 
    |
| 私 | 
      公室長お願いします。 | 
    
| 受付 | 
      公室長は会議中でございます。 | 
    
| 私 | 
      丸谷と申しますが、急をいそぐので呼んでください。 | 
    
| 受付 | 
      かしこまりました。 | 
    
| 公室長 | 
      よう、久しぶりやな。どないしたんや。 | 
    
| 私 | 
      私の息子が、どうらやビルの3Fから落ちたそうで、頭を打ったらしいんです。それで日赤へ入っているんです。 | 
    
| 公室長 | 
      日赤、そらまあなんで日赤らに。おまえ云うたんか。 | 
    
| 私 | 
      いや、云ってません。気がついた時には入ってました。 | 
    
| 公室長 | 
      気がついたときにはて、おかしな話やないか。それでだいぶ悪いんか。 | 
    
| 私 | 
      医者は治療できないというてますが。 | 
    
| 公室長 | 
      そうか。医者が言うのやったらしゃあないぞ。 | 
    
| 私 | 
      しかし看護婦さんがこの書類に印鑑もらって来て下さいといったので、公室長にお願いに来ました。 | 
    
| 公室長 | 
      ちょっとその紙見せてみ。 | 
    
| 公室長は書類を見ながら、よしわかった今会議中やけどちょっと伝言して出られるようにしてくるわ、ちょっと会議室にもどるよってここで待ってくれと云い残して行きました。 | 
    |
| 公室長 | 
      ちょっとしか抜けられへんけど2Fへ行ってみよらよ。 | 
    
| 公室長は時間をさいて私と共に国民健康保険課へ行ってくれました。 | 
    |
| 公室長 | 
      課長、いま時間はいいかね。 | 
    
| 課長 | 
      はい。公室長どうかいたしましたか。 | 
    
| 課長は先程私が話したKさんを呼び、私との話の内容を聞きました。 公室長と課長は、Kさんの話を聞きしばらく顔を見合わせていました。  | 
    |
| 公室長 | 
      課長、どうかね。書類作ってやるわけにはいかんかね。 | 
    
| 課長 | 
      万一の時に困ります。 | 
    
| 公室長 | 
      そらそやな。丸谷、息子さんがICUに入っているということは、もう入院しているということや。そやからこの書類のことやけど、今も課長の云うのを聞いてもらった通り印鑑は押せやん。ただ先に医療費払っておけ。後で保険を使えるようにしてやるよって。もし、ここへ来てそれができないと、あとで言うたらまた僕のところへ来て。それでは会議ほったらがしているので帰るで。課長、このあとよろしく。 | 
    
| 私 | 
      ありがとうございました。 | 
    
| 課長 | 
      失礼します。 | 
    
| 公室長 | 
      おっ。 | 
    
| 市職員K | 
      丸谷さん、ちょっと待ってください。先程は失礼致しました。私のほうから日赤のほうへ尋ねてもよろしいですか。 | 
    
| 私 | 
      お願いします。 | 
    
| 市職員K | 
      もしもし日赤ですか。今日運び込まれてICUに入っている丸谷康政君の容体について詳しく聞かせてもらえますか。 | 
    
| 市職員K | 
      そうですか。では、いつごろ退院ですか。 | 
    
| 市職員K | 
      え、そんなに早く。せめて一週間位おいてやってもらえませんか。 | 
    
| 市職員K | 
      はいわかりました。こちらのほうで日赤での医療が保険を使えるようにしますので、よろしくお願いします。 | 
    
| 市職員K | 
      丸谷さん、日赤のほうへはこちらのほうから言っておきました。お持ちいただいた書類には印鑑は押せません。来年、年が明けたらこちらのほうにその書類をもってきてください。 | 
    
| 私 | 
      どうもありがとうございました。 | 
    
| 
       日赤にもどる途中タオル10枚、ゆかた、紙オムツなどを購入、それからICUの看護婦さんにタオルなどを渡しました。書類に印鑑を押してもらうのを断られたことをICUの事務局に言いに行きますと、市役所のほうから連絡があったので保険を使って治療をしていきますとの返事をいただきました。  |