生命の手記



「生命のメッセージ展」
来年の和歌山開催に向け準備スタート
「生命の尊さを考えて」
犯罪・事故被害者の遺品などを展示

 交通事故や犯罪などの被害者の家族が全国各地で開催している”生命の重さ”を伝える「生命(いのち)のメッセージ展」が、来年十月の九、十両日に和歌山市で開かれる(会場は調整中)。その第一回目の実行委員会が二日、同市内で行われ、和歌山開催に向けた本格的な準備がスタートした。

 「生命のメッセージ展」は、犯罪や事故などの被害者の等身大人型パネル(オブジェ)と、遺品の靴が展示。
靴は故人の足跡を伝える「生きた証の象徴」とするメーンの展示物のひとつ。

 オブジェには故人の作文や詩、夢のほか、遺族のメッセージなどが添えられ、命の重さや遺族の苦しみ、悲しみ、社会への疑問などが綴られている。

 今月開催される長野県が二十回目を数え、これまでに国会でも開かれ、国会議員らも訪れた。来場者が命のいとおしさを託してつないできた赤い毛糸はバスケットボール大になり、多くの人の理解を得られている。
 二十三回目の開催となる予定の和歌山開催は、平成十一年十二月末に長男の康政さん(当時15歳)を亡くした和歌山市の丸谷光生(47)、るみさん(46)夫婦が中心になって準備。康政さんの死を「自殺」と結論づけた警察の捜査に疑問を抱く丸谷さん夫婦は遺族や被害者の心に添った社会の実現」を願い、同展の活動に携わるとともに和歌山開催を目指してきた。

 るみさんは「薄れること、忘れることのない残酷な光景を知っているから生命の尊さを深く伝えられると考えている。生命のメッセージを遺して逝ってしまった魂を自身の目で、心で感じ、考えてもらえれば」と話す。

 第一回実行委員会には、生命のメッセージ展実行委員会大阪事務所の担当者や、県内の動物愛護団体の関係
者、丸谷さんの知人で開催協力者ら約十五人が集まり、開催に向けて関係団体への協力要請や開催資金調達のための募金活動の展開、広報活動などについて話し合った。

 和歌山開催では全国から百四十のオブジェが集まる予定で、一部の遺族らも会場に詰める。また「生命の尊さ」を考えるイベントの同時開催も検討中で、同実行委員会では「生命のメッセージ展は理不尽に生命を失った者へのレクイエムであり、私たちの反省であり、尊い生命が守られる夢の世界への道しるべです」と多くの人の理解を求めている。

問い合わせは
「生命のメッセージ展in和歌山」連絡所
(和歌山市友田町4-20 TEL&FAX:073-422-4329)へ。


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