生命の手記



      山口県防府市 母


平成12年7月、自宅敷地で4歳の娘は飲酒運転で来ていた大工に前方で轢き殺され、私達家族は突然、娘との別れの時がやってきました。

それからは普通の生活がなくなりましたが、周りの人々やいくつかの出会いが私達家族を助けてくれました。
その一つが「生命のメッセージ展」の発案者、鈴木共子さんとの出会いです。
犠牲者の思いと生きた証、命の重みを人々に訴えようと企画して私も娘の生きた証を生きていればこれから色んな所に行き、たくさんの人との出会いが待ちかねていた事です。
それがメッセージ展に参加する事で実現させてあげられると思ったのです。

平成13年7月一周忌の時期 浜松の地が娘の始めての参加です。
私も娘の靴を手にして会場に足を運びました。
すぐに娘のオブジェを捜し前に立つと「生きている、娘は生きていたんだ」と実感し胸が詰まりました。

娘が生まれ育った地、山口でも開催できました。
この事は 私にとっても大きな意味があり、喜びとこれから前に進むための自信にも繋がり、いつの間にか娘のために参加したはずが私の自信回復と癒しの場になっていました。

私達遺族にとって人々から亡くなった家族の記憶が薄れ忘れ去られる事が一番辛く、この場は遠慮なく家族の話が出来ます。
命を奪われた人の一人、一人に夢があり、人生があり家族があります。
参加家族に共通した思いは亡くなった家族の記憶をいつまでも持ち続けたい、存在を忘れずに知っていてほしい、事故事件の事実と原因・結果・結末を風化させたくないと言うことです。

「生命のメッセージ展」で命の重みをご自分の家族と話し、考え、他人事ではなく人の痛みを共有し理解できる、そんなやさしさを持った家族が増える事で社会という大きな家族に幸せをもたらしてくれるのではないかと私は考えます。

和歌山の皆様とお逢いできるのをメッセンジャー達と会場でお待ちしております。

 大好きな佳奈へ
 お母さんの所へ生まれてきてくれてありがとう!
 このメッセージ展を通じて
 これから会うはずだった人達
 行くはずだった場所を旅してきてね
 再び逢う時、いっぱいお話しよう 待ってるから
 「いってらっしゃい」 かーかより。




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