生命の手記
馬県館林市 母
息子は、宇都宮から始まり、千葉−高知−と各地を旅しています。
生命のメッセージ展で多くの仲間たちと一緒です。
メッセージ展にはバイクに乗っていた仲間もたくさんいます。行く先々で仲間とツーリングも楽しんでいます。
兄貴のような先輩もいれば、後輩もできました。もちろん、同い年の子もいて、バイクや車の話で盛り上がっています。
息子がいなくなって、息子の存在の記憶さえも人々からなくなってしまうことを考えた時、不安と焦りと嫌悪感をおぼえました。
息子はここに確かにいたのに、そのことを知る人が、家族がいなくなったらだれもいなくなる。
そう考えるとたまらず、息子の生きた証を残しておきたいと思いました。
そこで知ったのが「生命のメッセージ展」でした。
「生命のメッセージ展」で息子は仕事をするのだ、と思うことができました。
息子がどんな夢を持ち、なぜ命を落とさねばならなかったのか、
こんなことでいいの か、メッセージを発信します。
目立たない息子の仕事振りはささやかなものかもしれません。
それでもたとえ一人でも息子の事を知ってもらえて、頭の片隅に記憶してもらえたなら、これほどうれしいことはありません。
息子がいなくなってすぐのころは、誰に何を言っても分かりっこないと口をつぐんでいました。
けれどそれじゃだめなんだと気づいたのです。
事故の相手のこと、息子の命がなくなっても、相手は普通の生活が送れていること。
交通刑務所なんかに入らないですむことなど、経験したものが口を開かなければ誰も知らないままなのだと気づきました。
息子に仕事をさせるのと同時に、私も声を上げねばと思えました。
初めてメッセージ展に息子に会いに行った時は、他の被害者の事を読んで、息子と重なり大いに泣きました。
自分と同じ思いをもった方たちと話す事で、気持ちのつながりを感じることができました。
何より「息子たちを想像の中で生かしてやる」という、鈴木共子さんの言葉で、次へのステップを踏めたような気がします。
その想像の中で、息子は仲間と赤いバイクに乗って全国を回っているのです、19歳のままで。
どうぞ「生命のメッセージ展」会場にいらして、息子たちに会ってやってください。
そして、メッセージを受け取って下さいませんか。