生命の手記
えいきちの父
息子は、12歳の誕生日を迎えた2日後、交通事故に遭い、
家族や親戚の見守る中、その5日後に息をひきとりました。
突然に息子をこのような形で失うとは、考えても見ませんでした。
翌年の中学校入学を控え、大人への入り口へさしかかる時で、
日々の成長が私の心の支えにもなっていました。
事故以降、息子の成長が止まってしまったと共に、家族の時間も止まってしまったように思います。
息子の夢は絶たれた上、、家族には何年たっても、
12歳の誕生日に嬉しそうにメロン食べていた顔以降、想い出は増えません。
家族の夢も絶たれます。
平和のように思えるこの日本でも、毎年数万人もの生命が理不尽な形で失われています。
その何倍もの夢が絶たれるのです。
ほかの人には、息子のように、大切な生命を絶たれて欲しくない。
家族を失って、 おなじように苦しむ人が増えて欲しくない。
そう思って「生命のメッセージ展」に参加 させていただきました。
是非「生命のメッセージ展」の会場で、凛とした息子の姿を見てください。
そして、息子の無言の訴えを、多くの方々に伝えてください。
そうして、一つの生命でも、理不尽に奪われることが少なくなれば、息子の死が無駄ではなかったと思えます。
これからも、全国各地で生命の尊さを伝えていく息子は、私の自慢です。
誇らしげな息子の表情を想い、次の旅先での姿を想像します。
そして、息子の遺影には、いつも「ごくろうさん」と声をかけています。