るみは鳥徳ビルから飛び降り自殺をしたと言い張る一人一人のものにとびかかって貪るような調子で
我が子の最後の様子を根掘り葉掘り聞きまわっていたが、もうこれからはそれを見ることができない。
我が子を失った親御さんたちにとってこれほどの母親を永遠に失ってしまったと、泣かないばかりであ
った。しかし、まわりを取り巻いている巡査たちは、るみにたいして知らぬ存ぜぬの一点張りで答える
ばかりである。あるものは笑い、あるものは傲然と見下ろすような態度をとっていたのだ。
 

 世間一般では丸谷康政は自殺をしたということで解釈されていますが、真相は私の自宅、和歌山市友田町4丁目20番地を
だまし取るため、一握の砂のために行政のテクニックをあからさまにした事件です。
 この手法は、『アジャパーウエスト3号』に詳しく書いています。和歌山東署の安東氏が上席の磯崎氏の命令により、康政の
いる和歌山日赤病院に手書きの調書に署名と捺印を強要したことでした。

 この時点で私は、当時おこなわれていました土地区画整理事業の一環としてのことだと考えると共に、日赤の辻本氏や深井
氏の態度から、康政はもう助からないのだと判断ました。
 なぜなら、この事業は私的な利益誘導を絡むものですから、総理大臣(当時は小渕恵三氏)といえども一個人の正義にかか
わりその味方をすれば、私的な欲望の表現をしたとみなされます。従いまして時の為政者にお恃みすることはできません。

 その利益誘導の手段として、土地区画整理事業や駅前再開発事業などがある。そして、その一部の和歌山東署の安東氏ら。
が土地区画事業そのものを代表していた行政と一部のものの安寧のために、日赤での野獣化せねばならない警察の思想を
誰一人糾弾するものがいませんでした。

 妻は煩悶した結果「生命のメッセージ展」に参加することで最愛の息子の生命の尊厳についてみなさまに問いかけ続けました。
 そんな為政者たちの中、和歌山市長は2004年の「生命のメッセージ展inわかやま」」の開催場所にご夫婦で駆けつけてくだ
さりましが、「鳥徳ビルに関する事件」の解決を為政者にお恃みするわけにはまいりません。
 
 しかし、なんとしても息子の横死について原因を究明したい丸谷るみは、いろいろな被害者支援団体に参加しながら事件の
ことをみなさんに報告活動をおこなっていましたけれども、和歌山市駅前再開発事業の中2024年2月8日に永眠。
 彼女の死を例えますと「水俣」のひとびとのように、国→県⇒市、と行政お得意の手際で殺されたような気がいたします。
 では、いったいどなたが中心となり国に公共事業を働きかけたのでしょうか。   

 くり返し言いますが、わが国における物質主義と懐疑主義とに充ちあふれた者たちがコロナのごとく空中にいっぱい瀰漫して
態度でおこなわれている。ひとびとはほんの1000円札1枚でも財布からぬきだすために平然として人殺しを働いている。
 康政の横死した1999年よりも令和を迎えた今は、当時の人物たちが権力のもとに十倍されたのはいうまでもありません。
まあ、なによりも注目したきことは、このような思想、そうしたふうの素養、あるいはそうしたふうの思想が、交番勤務の巡査たち
まで瀰漫してしまったようである。

 「どうしてあんなことになってしまったのかわかりませんが、」とお己を回想できる巡査の漲ることに期待しましょう。
                                                       
    
                                                                  丸谷 光生

チャイルド デス レビュー

丸谷るみ曰く、康政の母として どうして死んだのか、本当のことが知りたい

 解明せず弔いだけでいいのか!

CDRのはじまり
 
1978年

ディアンヌ・ティルトン・ダーフィー (小児神経科医) 「そうです。最初のCDRを始めたのは私たちです」 「Inter-Agency Council on Child Abuse and Neglecct」

「C」と「D」がくっついた理由

子ども限定? 名称からCを取り除いた、全年齢対象のDRとならなかったのはなぜ?

児童虐待の発見

米国の児童虐待対策は、1870年代から始まったとされている。日本では、明治維新のさなか。廃藩置県が行われ、西南戦争が起こったころだ。
小児科医C/ヘンリー・ケンプは、後に虐待対応の礎を築いたとして名をのこす。前出のダーフィーは臨床医として日々親子と向き合っていて、
「亡くなってしまった小の死亡経緯を調べていけば、他のこどもたちの死の予防に生かすことができるのではないか」と。


世界の潮流と日本の縦割り


厚生省がCDRの導入を目指してモデル事業を始めたのは、2020年のこと。

厚労省は2010年になってCDRを認知した


2010年度に、厚労省の小林班が『わが国におけるチャイルド・デス・レビューに関する研究』を行っているのがはじめて。
       生育基本法(2019年成立) 死因究明等推進基本法(2019年成立)・・・・・・こういった法律の流れを受けて(CDRのモデル)事業を開始した。 


「子どもの命を救え!」を科学に


「子どもを救え!」という思いは科学になり、事業になる。
2012年日本小児科学会五十嵐隆氏を会長とする学会は、「子どもの死亡登録・検証委員会」を発足させ、そして、(東京、群馬、京都、北九州)で、子どもの
死亡登録を検証するパイロット・スタディに着手。
2016年「予防可能性が中等以上だったのは、全事例の27.4%」

厚労省科研費補助事業では、その後もCDRに関する研究が採択された。研究班に参加したのは、日本小児学会のパイロット・スタディなどに参加してきた小児科医ら。


「行政を動かす、行政が動く」ことの意味


2021年8月 名古屋大学医学部附属病院沼口さん
        「他の全く違う専門家の人と話をするチャンネルが、基本的にはないので、医者って、すごい閉じられた世界で生きていますしね。
         他の専門の人と話をするのは、あんまりない。そういう文化をもっていない」

        モデル事業のメリットは、役所が主導しているという一点に尽きます。―沼口の語るポイントは、ようやくモデル事業までたどり着けたという回顧でもなく、
        灌漑でもなかった。行政主導の利点こそが大きい、という実務面からの指摘である。

        CDRの二源流
        @ 医師の主導で医学的な研究として行うもの。
        A 医師の全くいないところで、主に事故被害者の遺族らが事故の検分などを行い検証するもの。

        「行政主導でCDRが実施されれば」・・・・・・・
        「行政の人たちはその意見、結論を聞いた以上、(予防に向けて)動かざるを得ないということになり
         ますね。何よりも公的な色彩を帯びる。なんか、誰かがCDRっていう得たいの知れないことをやって
         いるな、という、そういう不安のような考えかたが払拭されるのも大きなメリットだと思います」

CDRモデル事業発のメディアアンケート

2021年の夏、 群馬、山梨、三重、滋賀、京都、高知、香川の7府県にアンケートを行った。

三重県が積み上げてきたもの

2015年度から医師らによる私的な勉強会が始まっていた。

         梅本正和さん 鹿児島県内の病院でネグリジェに遭遇する。
                  保健師をキーパーソンとして挙げる。「外因死については、やっぱり、保健師さんとかが
                  情報を持っている。警察が一番情報を持っていて、その60%ぐらいは保健師さんも知っ
                  ている、、、、、」

                   CDRのモデル事業は2020年4月、梅本勉強会を引き継ぐように始まった。その年め1
                   年め目、三つの壁を感じていた。
                    @ 「守秘義務の壁」
                    A 子どもの事故防止を考える文化のない「警察の壁」
                    B 何でも自分のところだけで完結させようとする「学校・教育の壁」

「三重県には三重大学しかないから」の意味

         平山雅治さん 三重県のモデル事業は次のように進んだ。県から委託される。→三重大学に事務局設置
                  「保健師らが情報収集」CDRのモデル事業は最終的に、睡眠環境、マルトリートメント、
                  川遊び、自殺の4課題に絞って提言を出す。

CDRモデル事業、2年めのハードル

2021年度厚労省が示す、モデル事業の手引き(第版)に亡くなった子どもの個人情報を収集する際に「家族らの遺族の
同意が必要」変化された。→このことを平山さん「退化」と表現した。

         「虐待なり、不審死なり、心肺停止で運ばれてきて、一日だけの付き合いで亡くなった・・・・・・そんな子の
         遺族とは信頼関係もできていないです。しかも、そういうケースほど、不審死とか、検証しないといけない例
         も含まれている。そこが一番壁になっていますね」

行政職員が語るジレンマ

          山崎香菜恵さん(高知県健康対策主幹)
          「ご遺族には、お子さんが亡くなれれた当日に説明して同意をいただく形にしていました。ご遺族のお気持  
          を考えると、現場の先生方は言いずらいというのは一般論としてあると感じます。ただ、後日にしてしまうと
          会うタイミングがないし、その場でとっていただくのが、一番有効であろうと。そこをどう整備するのか、どうい
          うスキームにするか。個人的には課題だと思っています」

CDRの実現に「医学部の壁」

          「それぞれ横のつながりがない」と大阪の先生はおっしゃいました。

          「一人の情熱だけに任せるのではなく、システムとしてやっていくようにしないといけない。国も自治体も、税
           金を払う側の都道府県のかたがたも、こういう事業にお金を使うのは当たり前のことなんだと、ご理解いた
           だくようになれば、予算が配分しやすくなり、人が配分しやすくなったりする。啓発活動が一番大切なことだ
           と思うんですよね」

事業の目標がわずか1年で消えた

2021年10月現在 「厚労省から口止めがあった」
             「死亡した子どもの遺族の同意を得なければない」「警察には捜査情報は共有を求めない」
             「基本的に警察からの情報提供はない」
             刑事訴訟法47条には「控訴に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない」
 
「CDR本格導入の時期は未定」
。それが厚労省の回答である。開始当初は「2年後」(2022年度)という数字いりで
示されていた目標は、わずか1年ほどで消えた。


警察がネックになっている

             「行く手を阻む大きな要因は警察だ」

             Ssfe kids Japan の山中氏(東京医科歯科大学大学院助教授)は、内閣府の「教育・保育施設等事故・検証」
             を例にして、

             「CDRは、実際に制度化されるには10年はかかると思いますよ。いやもっとかかるかもしれない」
             「そうです。警察が情報を出さないからです。出すようになるには相当時間がかかると思います」
             「30ページも40ページもある報告書があるけれども、どういう経緯で死んだのかが、分かんない
             ですね。何も書いてないから。今までに保育事故の検証報告書で、警察がデーターを出したと書
             てあるものはほとんどないと思います
             
             と、説明する。また、「なぜ死んだのか分からないんですよね」と、付け足す。



             「事故死ですから警察は絶対に現場に行く。どこで倒れてたかということで、その近辺の写真を撮ったり
              何センチのものがあったかとはかったりして、調書を作るんですよ。でも、出さないでしょ?それからお
              なかを開けたら(司法解剖したら)どうだったとかも分かんない(出していない)でしょ?それが、今まで
              の、そして今現在の状況なんです。簡単に言うと、死亡原因がはっきりいないとCDRは、予防のための
              CDRにならないんです

解剖で死因を探らない国・日本

2024年現在、東京大学法医学教室


              千葉大学岩瀬博太郎さんは
              「永遠に決着つかないですよ、これ。いまのままでは、無理」
              
              ・・・・・・これ、彼の本音が出ていると思います。『真相究明』などと、前評判があるけれど、権力に反抗
              ができない立場の人である。我が子丸谷康政の「鳥徳ビルに関する事件」で相談したときと同じ言い回し。

日本版CDRの実現を阻む”真犯人"
                                   解剖医の本音

              「縦割りだから、母子保健課は死因究明に関係ないんです。だから、そういうふうに役人は言うんですね。
               死因究明h、警察か(死因究明推進を担う)医政局でやってください、みたいな。そういうスタンスなんで
               す。だからもう終わったわと思って。結局、小児科の頑張っている先生も、法医学の情報が得られれば
               ありがたいけど、モデル事業を推進している役人がそこに触れるな、と言うからやれない。そういうふうに
               僕には見えてます。やっぱり、出資元のクライアントが手をだすな、っていったら、もう何もできなくなっちゃ
               いますよね

     
   ・欧州と英米の死因究明制度の違い (日本は欧州型)

              「英国、米国というのは、死因究明をする責任主体が警察じゃないんですよ。『コロナー』とか、『メディカルエグ
               ザミナ―』と呼ばれている人たちなんです。

  
「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」に対する意見

1. 幅広い届出と初期判定員(メディカルエグザミナー)の設置を求める
第32 医療法の一部改正
(2)届出義務等
次の死亡又は死産(以下「医療事故死等」という。)に該当すると認めたときは、その旨を当該病院又は診療所の管理者に報告しなければならない。
@ 行った医療の内容に誤りがあるものに起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産
A 行った医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、その死亡又は死産を予期しなかったもの
  @ 「行った医療」;前医の行為を含む必要があるため「行われた医療」とするべきである。
     「誤りがあるものに起因し」;過失の有無の判断を調査に先んじて求めるべきではない。
  A 「行った医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、その死亡又は死産を予期しなかったもの」
   死亡との因果関係の判断を調査に先んじて求めるべきではない。予期しうる偶発症か否かは、ピアレビューに委ねるべきである。

届出を義務化するために、届出すべき事案を厳格に規範化しようとしたものであろうが、原因究明をまって初めて明らかになる過失や因果関係の判断を、
事象の生じた初期の段階で、医療機関に求めるという矛盾を孕んでいる。

我々は「広く届出を受けて初期判定員がこれを仕訳する」仕組みを提案してきた。検討会において高本委員が「メディカルエグザミナー」と呼んで、繰り返し
提言したものである。この仕組みは、届け出事象のグレー部分の判断(過失の有無、死亡と医療行為との因果関係)を医療機関に委ねることなく、幅広い
届出を促す。その一方で、臨床経験豊富な医師が、初期判定員(メディカルエグザミナー)の任に当たることにより、医療安全委員会の取り扱い事案を合理
的な範囲に絞るとともに、院内調査に相応しい事案か否か、事故原因の究明を進める院内調査が当該医療機関において可能か否かを判断し、院内調査と
する場合には、その人的サポート態勢を提供する。また地域の状況に応じて省力化を進めることも可能であり、そして何よりも初期判定員(メディカルエグザ
ミナー)の存在が、第三者機関による事故調査をプロフェッションの自律的活動として機能させる鍵となる。


繰り返すが、遺族・国民の切なる願いは、紛争の解決ではなく、まず何よりも事故原因の究明である。真相究明努力のない紛争解決は、欺瞞に他ならない。
医療機関が、「隠さない、逃げない、ごまかさない」という姿勢を取ったとき、紛争は自ずから解決に向かう。これは名古屋大学医学部附属病院など、この姿勢
を貫いている医療機関で、すでに実証されている。

 判断に迷うグレー部分をできるだけ幅広く届け出て初めて、医療安全を目指す委員会は警察に代わる診療関連死の届出先として国民の認知を受けるであろ
 う。

第2 定義
1 この法案において「医療事故死等」とは、第32の(2)の1の医療事故死等をいう。
「医療事故死等」の定義は第32の(2)を引用し、第32(2)は(4)の1の基準に照らしとの引用になっている上、最終的に医療事故死等に該当するか否かの基
準を「○○大臣が決める」とされている。現場の状況により複雑で流動的な医療において医療事故死等に該当する基準を官庁が一律に決定することは適切かつ
妥当でない。第32条(4)の2で、○○大臣は、学術団体及び医療安全調査中央委員会の意見を聴くとされているが、意見を聴くにとどまらず、中央医療安全調
査委員会等に諮問し、その答申に基づき判断するなど、専門家相互のピアレビューを尊重すべきである。


          「例えば、元英皇太子妃のダイアナさんがパパラッチに追いかけられて、死んだじゃないですか。 あの時に、
             陰謀説が出て、殺されたんじゃないんかという話がありましたよね。ああいう時に、コロナ―が出てくるんで
             す。で、この人は、陰謀で殺されたのか、ただの事故死なのかをコロナ―が調べます」
         
  

             「欧州の制度では、死因究明の責任者が警察とか検察庁なので、情報が表に出しにくいんです。だけど(欧州には)法医学研究所
              というものがある。そこにふんだんに情報がたまってくる。そのデーターベースを使えばなんとかなるっていうのが欧州なんですよね。
              日本の小児科の先生はそうした死因究明制度の違いを分からずにやってるから、CDRが米国や英国みたいにできると思っている。
              けど、無理なんですよ。最初っから。別のやり方考えないと、だめ。むりです」


丸谷るみが死ぬ寸前まで声を大にして言いたかった事

             「英米も欧州も(他殺、自殺、事故死などで亡くなった可能性のある子どもや突然死した)子どもは100%解剖しますから。そこは欧州
              でも一緒なんです。だから、あやふやな死因の子h基本的にいない。子どもが死んで、これで死にました、ということが分かれば自然
              と対策が取られていくはずです」

             「虐待の有無を全く調べてないんじゃないかという視点から始まって、CDRが出てきたんでしょう。
              もちろん、小児科の先生が悪いわけじゃない。
              しかし、いま話したような、これまでの日本のいろんな体たらくが、死因究明を徹底しようという議論じゃなくて、
              CDRという形に化けて出たのかもしれないですね」

CDR先進地アメリカ・オクラホマ州

             「東京医科歯科大学大学院歯学総合研究科プロジェクト助教授」の肩書を持つ山岡裕衣は当時オクラホマ大学児童虐待センターの
              リサーチフェローとして米国生活を始めたばかりだった。

CDR委員会への情報提供は義務

             州ごとに法律が異なる米国では、CDRにも州独自の形や進め方がる。

警察も捜査情報を提供

            4年間の留学を終えて帰国した山岡は、2020年から東京医科歯科大学大学院の助教として多忙な日々を送っている。

CDRには死因究明が欠かせない


             厚労省は毎年11月を対策強化月間と定め、子ども向けに3つのポイントを訴えてきた。
             
             「1歳になるまでは、寝かせるときは仰向けに寝かせましょう」
             「できるだけ母乳で育てましょう」
             「たばこをやめましょう」
               これを実行していけば、SIDSは減っていくという見立てであり、実際にその数は減ってきた。ただ、SIDSの減少には他の要因も考え
              られる。解剖の有無だ。外因死や不明な死について、解剖率が少しずつ上昇していると山岡氏は言っていた。

さまざまな「死の予防」のかたち
         褥瘡
             山岡氏は、筑波大学大学院のヘルスサービスリサーチ分野の研究室に席を置く。

             「私は小児を専門にしていましたが、指導教授は高齢者ケアを研究の中心にしていたんですね。それもあって、高齢者ケアの文脈で、
              ドイツなどヨーロッパでは高齢者が施設で死んだ場合に必ず解剖している、死亡事例をちゃんと検証していることを知りました」
              例えば、亡くなった人のどれくらいで褥瘡(じょくそう)が見つかったかを検証すると、その老人ホームが提供するケアの質がわかる。

             山岡氏の目にはCDRよりも”寄りそう","支援する”という色彩が強いと映った。わが子を失った母親たちに対し、どうグリーフケアを施し
             次の子を育てたいと思ったときの支援をするか。そうしたことが中心だった。

             I Know you were a mother     

              
「子どもは死んでもあなたはお母さんだったよね、覚えているよ、私たちは覚えているよ」


職種連携と予防サービスがカギ

       ・予防医学とは
               1次予防  ガンや高血圧にならないようにみんな運動しましょう!
               2次予防  癌の発生を早くみつけようという、早期発見、早期治療。
               3次予防  がんになっった人が再発しないようにしようとか、」再発や重症化を防ぐ治療。 
       
                 CDRは3次医療になります。


死因究明にあたる専門職の仕事


             「私、ピータホワイトは、マナブ・コンドウ氏の死亡ケースを調査したコロナ―であります。2008年9月24日、25日に、サウスバンクにてこの件
              に関する検死審問をおこないました」


オーストラリア・ビクトリア州の「コロナ―」制度とは?
     死因究明に関して、法医学者・岩瀬さんが理想の形と評するコロナ―制度。それが最も進んでいるオーストラリアに日本は近づくことはできるのか。

             コロナ―は、医学的な死因究明の専門家ではないため、彼らを科学的な知見で支えている組織がある。ビクトリア法医学研究所(VIFM)。
             ビクトリア州一の法医学期間だ。

             コロナ―制度の下では、関係者は「検死審問」に呼ばれる。なぜ、その人は亡くならなければならなかったのか。解剖所見や関係機関の
             保有する情報も集約され、死因や死に至ったプロセスが検証されていく。死を死因不明のまま放置しない。  

             しかし、岩瀬氏は「コロナ―制度は日本には導入できない」と言い切る。      


 鳥取大学・飯野教授がオーストラリアで経験したこと


2021年11月上旬。 菅義偉首相の辞任、岸田文雄首相の就任、衆院解散・総選挙・・・・・・。

             鳥取大学医学部教授 飯野守男 50歳。ZOOMでインタビュー

             「画像診断を法医学でやりたいという思いで、VIFMに留学を申し込みました。特にコロナー制度を学びたかったということは全然なく
              このVIFMが法医放射線学に関して有名な施設だったということが留学のきっかけです」

 
 どんな遺体をどんな判断で解剖するのか

 解剖の可否を判断するのは、コロナ―だ。

 「1985年の旧コロナ―法下では、アンチナチュラルデス(不自然死あるいは非自然死)は、コロナ―が解剖を行うかどうか判断していました。
  言ってみれば主観的で、あまり科学的ではない。コロナ―が『解剖』するときめたものは解剖するし、『しない』と決めたものはしない。当然、
  解剖すると決めたものは、法医学者が命令を受けて解剖を実施していました」

  実際飯野にはこんな経験がある。塩化水銀を飲み込んで中毒死した30代の男性のケースだった。CT画像を見ると、この人は水銀を内服し
  た直後に亡くなったことが分かった。さらに、血液中の水銀濃度を測り、水銀は致死量に達していたと確認。水銀中毒死という死因をつきと
  め、確定させた。
  

 「死んでまで痛い思いはさせたくない」という日本


 遺体が灰になれば解剖はできない。死因は永遠に謎のままだ。場合によっては「事件性なし」という警察の判断が間違いで、「実は他殺だった」
 というケースすら残る。結局わが子の最期の様子が分からず、解剖を選択しなかったことを生涯、後悔する遺族もいる。

・法医看護師の存在
 遺族対応をするために、専門の看護師がおります。フォレンジック・ナース、法医看護師です。遺族に説明をしたり、亡くなったひとの病歴を遺族
 から解剖前に聞き取ったりしています。病院で亡くなった場合は、カルテを取り寄せて。医療過誤のカルテって、紙にするとすごく分厚いんですけ
 ど、それを読み込んで要点をまとめ、解剖医に伝えることもします」


 日本には「異常死体」の法規定がない

 医師法21条は、異常死体について降れている。しかし、「医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異常があると認めた時は届け出
 る、と書いてある。
  
 日本では警察主導で死因究明を勧めるため、法医学者の目に触れない死体が多くあります。異常死体の解剖率は10%程度。9割は法医学者の
 目に触れない死体ということになります。オーストラリアの場合はすべての異常死体、アンナチュラルデスはコロナ―に届け出ることになっています
 ので、全ての遺体を法医学者が診ております」

 CDR日本導入のカギとなる法律


 「Safe Kids Japan 」理事長山中氏の意見

 刑事訴訟法47条
 「控訴に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、
 この限りでない」

 「CDRを法律で定めるため、いろんな検討をしてください」
 山中は文部科学省の科研費を使い研究をしている人物にお声掛けをしました。

 来るべき"CDR法”には何が必要か?


 山中氏がお声掛けしたのは、愛媛大学法学部教授の小佐井良太氏である。科研費を使って「チャイルド・デス・レビュ―の研究:効果的な法制度
 設計と運用の実現を目指して」を、ほかの2人の研究者と共同で2019年から始めている。

 「地方における死因究明制度の実態に関する研究」
  
 ・日本の死因究明制度には「統一的な死因究明制度の不存在、圧倒的な死体解剖率の低さ、死因究明における地域間格差」という地域間格差」
  という看過できない問題があること。

 ・前途の改善のために死因究明関連二法が導入されたが、予算、人員、制度的手当を欠くままでは、死因究明の十分な推進はできない。

  小佐井氏らのCDRに関する科研費研究は、2021年度が予定3カ年の最終年度である。

・「厚労省から口止めされている」
 7府県で行われたCDRモデル事業がどう映ったのだろうか。モデル事業の結果は公表されておらず、一部の現場の担当者たちは取材班に対し、
 「口止めされている」として回答を渋った。

 「厚労省はモデル事業でCDRの課題を洗いだし、それを踏まえて法制化、全国展開していく青写真をもっていたと思うんです。しかし、課題の検証と
 その方法が現状では全く見えてこない。CDR事業は、2022年度から全国展開という計画になっていますね?『ほんとにできるのかな』というのが、
 すいません、正直なところです」

 「捜査情報が、事故の検証や再発防止に生かされるべきだというのはやっぱりそうだと思うんです。そうすべきだと思います」

 捜査情報の「二次利用」でCDRの前進を

 小佐井良太氏の揚げる検討のポイント

・捜査情報をCDRで活用するタイミング。
 「刑事訴追への影響は避けなければならない。起訴・不起訴の判断が出た、あるいは、有罪・無罪の判決が確定してから。そういう一定の制約は
  受けざるを得ない」

・「起訴・不起訴の判断はあくまで、刑事責任を問えるか問えないかの判断です。事故の原因がどこにあるとか、原因究明するためにこの情報が有益
 かどうか、あるいは再発防止を考えるうえでこの情報が生かせるかどうかは、刑事責任の追及とは異なる視点です。その異なる視点で検証する機会
 を確保できるように、不起訴の情報であってもCDR委員会が確認できるようにする。」

・「もともと捜査情報は、捜査目的で収集した情報ですよね? しかし、その中には、起訴には至らず捜査には必要な情報ではなくなったけれども、
 事故の防止や検証の観点からは、必要だという情報がる。それをCDRで『も』、使えるようにしたい」

・「警察もいきなりシャッターを下さないほうがいいのでは、お互いにできることをやっていく。それを続けていけば、いい方向が見えてくるかもしれない」

 死因究明に人や予算の投入を

 
 「CDRの運用に耐えうる死因究明の制度、それに資する制度をまずは作っていく。そして、やがては対象を子どもだけでなく、高齢者も含め大人全員
  にまでひろげていく、今ある死因究明の体制を段階的に引き揚げていくわけです」

 「死んだ子にメスは・・・・・・」を乗り越える

 「死やご遺体に対する感覚は、日本人の文化的な部分もある。解剖についてもそう。ご遺体についてもそう。ご遺体について、これ以上傷つけるのは
  ・・・・・・という捉えかたもありますが、他方では、解剖によってその死が社会的に役立つと、いう捉えかたもあるわけです。
  突然の事件や事故でお子さんを亡くした親御さんが、お子さんの解剖を受け入れていく。それが、死因を究明し、真実を知ることにつながる。そんな
  共通の認識や理解が、日本の社会の中で広がっていかないと、やっぱり躊躇されるかたはいらっしゃると思います」

 「もうこれ以上、わが子を傷つけたくない、解剖をしないでください」と、
 その時に判断したことで、死因究明の道が閉ざされてしまう。責任の追及や再発防止の対応、そのあたりのことが閉ざされていく。まさか、その後に
 そんなことになるとは思いもしない状況で、判断することをいままでは遺族に強いてきました。場合によっては、そういうことを聞くことすらしないで、
 解剖が行われなかった。今の日本にはそんな状況がある。今後、それがどう変わっていくかですよね」

悲劇さないための


・歩車分離式信号機の設置を求めて


 事故の原因を個人にだけ求め、処理されればそれだよしととしてすませるのか。交通システムの不備を根本から正さぬことには、これからも犠牲は
 続くのではないか。人と車、双方が「信頼の原則」で渡る交差点だ、圧倒的に力の強い車が信頼を裏切れば、生身の人間はなすすべがない。


青い頭巾と前掛けのお地蔵さん


「昔のテレビドラマ『北の国から』で、魚師が浜で、かがり火をたく場面があったんですよ。それで、元喜が家に帰ってくる目印になるように、命日に炊き始めたんです。
十年前からは近所迷惑にならないように、まきストーブにしましたがね。

 息子の死の現場となった交差点


 1992年11月11日、 長谷夫妻は長男の元喜を上川橋交差点で失った。

 元喜さんの遺品の中から、「手書きのカードに書かれたなぞなぞの内容です」。

 

                「昭和の次の時代は?」   「ドラえもんは何世紀から来たの?」

                                          「信号はなぜあるのか?」  「A信号がないと交通事故にあうから」
 


 「これは”構造死”だ!」 東京都を訴える


 事故の目撃者は、ダンプの対向車線にいた車の運転手。そして、ダンプの後続車からも証言は得られました。

  「ダンプの後ろにいて信号待ちをしていました。私からは信号は見えない。ダンプが走りだしたんで、青だと思って走りだしました。前のダンプはどっちに行く
 のかなと思ったら左に曲がった。私は真っすぐ行こうと思ったけれども、ダンプの前に子どもさんを見た。あ、危ないと思いました。ぶつからなければいいが、
 ぶつからなければいいがと思っていたら、子どもさんは何か引き返そうとする様子でした。でも、やっぱりぶつかってしまった。私は半狂乱になって近くの交番
 に飛び込みました」

 信号機は人も青、車も青。そんな状態で事故は発生したのです。

 長谷さんはこれらの事故で失われた命を「構造死」と名付けた。
 
 「1995年11月。「人と車が交わらないようにしていれば事故は起きなかった」として東京都を相手取り損害賠償請求を起こしました。

 この裁判の内容をかいつまんで言えば、
 ≪事故に遭ったのは、不幸、不運。東京都側はそう言ったのであった≫
 社会構造を是正すべき行政から「運不運」の問題を持ち出されたときの、夫妻の思いは如何ばかりだったでしょうか・・・・・・。

 何人が「晴天童子」になれば変わるのか

 長谷さんは、青信号で夭折された子どもたちを「晴天童子」となずけました。これは青信号なのに横死したことに、少年の戒名である、童子を意味しています。

 
 長谷さんは言う。
 「CDRの取り組みはとてもいいです。ただ、どこまで本気なのか。交通事故に限らず、予防に必要な事故原因の情報開示は警察頼み。その状況は変わらない
  わけですよね?」


                                

 「こんな複雑な交通法規、子どもは教えられていない」

 
 「命と安全を守る歩者分離信号復及全国連絡会」 黒崎洋子さん
 
  「こんな理不尽が通っていいはずがない。眠れない、起きてもいられない。生活らしい生活が営めなくなった」

 「普通免許を取るときに、何十時間も実施や授業で交通ルールを学んだのに、こどもたちは全く知らないわけですよ。そして、彼らを守って行く大人も自転車に
  関する法令ははぼ知らないでしょう?」

「あまりにも社会の構造とか仕組みとかが、複雑になり過ぎているために、これまでは子どもたちが体験を通して学んでいけたことが、できなくなりました。
 大事なのは、一過性の交通安全キャンペーンではなく、継続的な安全教育だと思うんです。子どもの頭に知識として入ると、この標識は、ここにもある。
 あそこにもある。て、目に入るようになるでしょう?だけど、標識の意味を知らないと(見えていても)全く目に入らない。だから、国語算数理科社会と同じで、
 交通安全も必須科目になるんです」
    軽車両である自転車は車道が原則


 ・2013年  道路右側の路側通行が禁止され、左側通行に限定された。

         「自転車舗道通行可」のあるところでは、自転車は安全な速度と方法で舗道を走行できる。

         13歳未満のこどもは徐行しながら歩道を走行できる。

                  
            

   青でも車はぶっとんでくる

                 
  自転車について、「自転車に関係するひとびと」といったことでかんがえますと、きっと驚愕されるでしょう。
 まずはじめに想起させられましたことは、自転車を必要にされる何万人ものひとびとが存在していることです。しかし、
 このだれもかれもが、その環境について、健康について、経済効果についてのことを考えながら自転車に乗られる
 とは考えにくいものですね。
  
  ほかに自転車と関係するものとして挙げられるものは、国土交通省、経済産業省、環境省、内閣府、総務省、警察省、
 国家公安委員会、市区町村、企業、自転車店など数えきれないほどの数が存在いたします。

  しかし、最近イノベーション化があたかも流行語のように進行し、これらを代表するものは次第に淘汰されだし、遂に
 官僚たちの牙城とされ、おのおのが個別の意見を貫き通すことは不可能となりはじめました。

  思うに、総論賛成、各論反対という状況の官僚体制につきましては、権力立法府から行政府へと移動されるや否や、
 公共であるべきであるさまざまな機能は私的へと転化される傾向が顕著にみられます。まさしく、縄文文化が弥生文化
 に駆逐されたようです。

  この状況は、まさにマックスウェーバーが『職業としての学問』のなかで予想している「恐れていた全面的な組織化と
 官僚大勢による個人の自由について束縛するあらわれであります」。

  この現象は自転車優先道路に置き換えることができます。また、2003年には同じような議論がございました。日大
 「環境と資源の安全保障」プロジェクトチームの『環境と資源の安全保障47の提言』(共立出版2003年12月)の中に
 「自転車利用の促進と自転車走行空間の確保」というのがみられます。また、昨今の自転車ブームにたいして、国土交通
 省から「自転車通行空間整備方針」が出されました。

 その中には、「自転車と自動車の混在道路の目安」といったものがございます。
  
 ≪基本的には自動車の速度が40q/h以下、かつ、自動車の交通量が4,000台以下の場合には、車道混在道路を
 検討するものとする。ただ、金沢市におけるこれまでの整備実績をふまえて≫と、いったものです。

  しかし、車道混在道路は殺人道路と申し上げます。可能ならば、和歌山城付近を通る県道138号和歌山ー野上線を
 自転車に乗って走行してください。きっと、あなたは競輪選手のようなテクニシャンが必要であると同時に、車やオートバイ
のドライバー達との心の融和が必要だと感じることでしょう。
 


 歩行者が一番偉い「階級社会」を路上につくれ

  加藤麻樹さん(早稲田大学人間科学学術院教授)は、欧州の交通事情に詳しく「交通社会における優先性」をテーマに
 研究されています。

  「西欧諸国では、自転車の運転技術を学校で年間通して教えるとお聞きします。たとえば、止まりたい場所で止まる。
 カーブをはみ出さないで走る。片手運転で決まったラインを走るなど、段階的に技術を身につけていきます。もちろん、試験
 もございます。通学路には警察官が立ち、自転車の乗り方やルールを遵守しているか否かをチェックしています。合格すれ
 ば、法的な力は無いけれど、子どもむけの”運転免許証”がいただけます。

 ・トラフィック・ヒエラルキー
  
  道路では交通弱者が優先されるという原則を打ち立てよ、という理論です。生身のひとびとはこの頂点に立ちます。

 ・ノーマライゼーション

 ”身分制度”による巌然とした区分をつくったうえで、もっとも弱い歩行者に強い権利を与え、不公正を是正したいきます」

 

 「日本ではただ法が守られていないだけだ」

  日本の道路交通法も38条で「横断歩道における歩行者等の優先」を定めています。

  日本と欧米を比較したとき、日本ではただ法が守られていないだけです。

 
 ●ういてまで 人命救助で命を落とさないために
 「たも網」「自宅近く」「一人で」川の事故は共通していた


 2020年6月20日 志登川で小3の男児が浮かんでいた。

 2020年7月18日 紀北町の大河内河で、小6の男児が死亡した。


  「先生、現場じゃ役に立たないですよ」と言われて

 斎藤さん(長岡技術科学大学院教授)は、
  「水に入った理由が何であれ、浮いてくれれば命は助かる。浮いて、それで呼吸を確保できるんだってことをまずは知ってください」

 消防学校の訓練生のことば
  「だって、われわれが現場に着いた時にはみんな沈んでるんですよ。救助じゃなくて遺体捜査です、僕らの仕事は。だから消防
  学校で教えるべきは、遺体捜査の方法なんです」


 過去に起きた事故の情報はどこに?


  柴崎町の白石川のような、事故の原因にも繋がる川の情報は、どこが持っているのか。事故を捜査した警察が持っているのか。
 その情報は広く社会に共有されているのか。

 現場検証を重ねてきた斎藤さんは答える。
  「警察が持っていたとしても、事故の捜査情報は絶対出てこないです。むしろ事件になったほうが出て来ますよ。公判で必要に
  なるので、目的外使用っていうのは、やりにくいでしょう。法律を改正しないと、真実は出てこないですよ」


 
 「子どもの同調圧力」

 「子どもの同調圧力」にたいして、その対策とは、

 まず初めに、119番に通報し、「浮いて待て」と要救助者に声をかけ続ける。まわりに釣り竿があれば、それを利用してペットボトルなど
 浮き道具になるものを渡す。こうした行為を水難学会では「よりそい」と呼び、「ういてまて」同様に教室を開いている。

           安威川 (高橋尚子さんの大学ではここの土手も練習コースだ)
          この事件につきましては、ここを走る人たちへの教示となることでしょう。


 2012年 岡真由美さんが夫と対面したのは茨木警察の霊安室でした。

  「ご主人は、川で溺れる子どもを助けようとして、なくなりました」

  「どの川? 安威川? あんな浅い川でどうやって?」

 それから、岡さんは、いろいろなところへ掛け合いにでかけましたが、、、、、、、みんな他人事なのかなって思いました。

 「あなたたちは、自分の息子や娘におんなじことが起こっても、そんなふうに言うんか」
                                           夫、隆司 の父
 

   大阪府の土木事務所の担当者から、「河川は自己責任における自由使用」という原則を聞かされました。

 溺れる人を見ても飛び込まないで
 
 岡さんが、小5年生を対象とした安全教育の場に於いて

 「溺れている人を助けにいったらいけないっていうけど、溺れている友達を助けたいときはどうすればいいんですか。」

 「それでも助けに入らないでね。行ったらあかんよ」

 「それは、見捨てろってことですか」

 見捨てるんと違う。水に入ったら下手したら2人とも死ぬかもしれん。大人の人を呼ぶのが一番の救助だからね。119番してね」

 法要のときに感じたモヤモヤ。それが、学校教育にこだわり続ける理由です。岡さんが何度も行政に掛け合うと、当時の市長にも要望は
 ました。伝わり、市は、延長11・4キロメートルにわたって安威川の水質を調べ、1,5メートル以上の深みを9か所確認されました。
 2012年の暮れには、9カ所の両岸に注意を呼びかける18枚の看板も設置されました。

2019年9月、大阪府高槻市の芥川で、
 70歳代の男性と小学生の孫3人、合計4人が亡くなってしまいました。、、、過去の教訓は生かされなかったのでしょうか。

 「川のあそこに深みがある。川のことだけじゃない。白玉団子やブドウが喉に詰まって窒息することがある、日々の暮らしの中で、
 知ってさえいれば防げる事故は防げる事故はあるんです。私の役目は何度も何度も知らせていくことやと常々思ってます」


●事故を防いで安全な川遊びを
 水泳教育に「早く泳げるように」は望まれていない

 「今亡くなった子どもの死因究明をやるのは大事ですが、過去にも同じ事故が繰り返されてきました。そのデーターもあるわけだから
 過去の事例の検証もCDRでやるべきことだはないか、と、私はそう思っています。形骸化せず、社会に根差していく仕組みにしてくだ
 さい。何より初動調査に重点を置いてほしい」

 「スポーツ庁が、学校の水泳授業でライフジャケットを用いた安全教育を推進しようとしているんです。」

  ●AED復及・啓発モデルをつくる
                     
投げキスして学校へ。そして・・・・・・

                                    「うち、駅伝の練習頑張るね。ママ、大好き」

 ASUKAモデルとAED(自動体外式徐細動器の復旧
2011年9月29日  朝元気よく学校に向かった明日香が集中治療室(ICU)にいる。点滴の影響で顔も手も腫れあがっていました。
 
  多臓器不全や脳浮腫が進行しました。明日香の心臓が止まりかけると、パパとママは、交代で胸骨を圧迫しました。この動作につきましては、

 明日香と共に過ごせるひとときを1秒でも重ねていきたい思いだったからでした。

 なぜAEDは使われなかったのか


  明日香さんの倒れたときに現場に居合わせていた教師たち大人9人ですが、彼女にたいしてなんら救命措置はしていません。そればかりか運ば
 れた先の保健室に常備していたAEDも使われていませんでした。

  明日香さんの葬儀のあと寿子さんは学校にいって「危機管理マニュアル」の閲覧を願い出ました。

  ・学校側の提示
   「担架に乗せる際、自ら半身の姿勢をとる」

  ・寿子さんの徴収した証言内容
   「娘は倒れた直後に痙攣をおこし、担架に乗せられる際は自分で半身になるどころではなかった。

  ・救急隊員のお話
   「到着時に瞳孔は散大し、脈拍も取れなかった」

  そして、心電図のデーターから隊員の到着する前には、すでに心肺停止であったことが判明しました。

  教育長「AEDの講習に重大な欠陥があるかもしれない」


   桐淵教育長は、日進中学校の対応に疑問を感じていました。
  「救命講習を一度受けたぐらいでは対応できないような、重大な欠陥があるのではないか」

   「子どもを死なせたくないんです」
    ASUKAモデルのはじまり

   鰐淵教育長と寿子さんの始めたことは、CDRという言葉がほとんど知られていなかった今から10年前。
  死亡事故を検証し、二度と同じことを繰り返さないための対応策を作り上げるという、まるでCDRのようなプロセスは、明日香さんの死をfふまえてから
  動き始めました。このようにして「ASUKAモデル」が完成したのでした。

  ASUKAモデル、スタートへ

  「呼吸がある」「脈がある」


    119番通報の際、消防センターから「呼吸がありますか、脈はありますか」と聞かれたとき、対応した教師hいずれもあると返答しました。
   なぜ、彼らは、呼吸も脈拍もあると思ったのか。呼吸や脈拍を尋ねた指令センターは「YES」か「NO」の選択しかしめしていません。しかし、
   子どもが目の前で倒れ、意識ばもうろうとしている状態のとき、医師であっても脈拍をとるのは困難だそうです。患者の脈拍をj自分自身の
   ものと勘違いしてしまう場合もあるそうです。
    呼吸にしても、正常時とは異なり、心停止後に起こるような、ゆっくりとした喘ぐような「死戦期呼吸」の可能性もあります。
    これは医療従事者ぐらいしか見分けられません、教師たちはこの間違いをおかしたのかもしれないですね。


「心肺蘇生を体験させることです。生徒にも教員にも」


  さいたま市植竹中学校山下校長先生
    「机上で聞くだけでなくて体験させることです。教師もそう。誰かに依存させない。どこにいても、誰でもできるようにしないと。ワクチン指導ってすぐに
     忘れるんですよ。でもビタミン的な指導は意外と覚えている。じわりじわりとね。だから繰り返し、繰り返し教えていくことだよね」

 「ASUKAモデルをつくった専門家」


  2011年にASUKAモデルに関っていたひとびとの今の声

   「ASUKAモデルの役割は大きくて、数字では表せないんです。このモデルのおかげで救われた、とか。日々ブラッシュアップされているものもある。
    まだ突然死はゼロじゃないけれども、ASUKAモデルを復旧することで改善できると思います」
   
  これは、予防医学の専門家としてマニュアル作成に関わった石見(京都大学教授)さんは、寿子さん達との出会いを懐かしそうに振り返っていました。


”一輪のたんぽぽが わたげになって 飛んでゆく時”


  
     たのしみは きれいな一輪のたんぽぽが わたげになって 飛んでゆく時
                                                                   桐田寿子


         「このたんぽぽの種を人の心に届ける優しい風は、私や桐淵さん、山下校長先生たちが行う講義でもあり、皆様の取り組みだと思います。
          明日香が私にとって何よりも大切な人だったように、倒れた人は誰かの大切な人。ASUKAモデルを知ることで、いま自分でできることを
          行動にして、命のバトンを協力してつなげてほしいと思います」

          寿子さんは、桐淵さんの妻・しのぶさんが66才で亡くなられたときには、彼女の指の爪に、職業がら禁止されているサーモンピンクの
         マニキュアを塗ってあげました。同じ看護師といった立場から、職業がら禁止されているマニキュアを塗って楽しみたかったのでしょうね。




   ●いじめによる自殺を予防するための教育を
                            母と娘、コンビニで駄菓子と花火を買った

窓の外には
      
      窓の外には夢がある 夢のとなりは自然がある 
      
       自然の上には空がある 空の上には星がある 

      

      私達が生きる地球という船で
 

       例えどんな事があっても 

      希望をみつけて生きていれば 

       笑顔はきっと戻ってくる 明日の朝日胸に抱いて 

      思い出 手の中握りしめて
  

       また明日一つ夢を見る
                                 作詞 Kasumi&T.Hirashima
                                                      作曲 T.Hirashima


  小森香澄さんは、担任の先生の先生に相談しましたが、いじめを実行していて生徒3人は彼女のクラスメートで、同じ吹奏楽部でしてた。
 担任の先生にいじめられている事を相談したのですが、担任の先生は相手にしてくれませんでした。

  「具体的を先生に求めて、それをいつまでにしてくれるのでしょうか、といったことを一歩ずついかなきゃならなかったのに『何かがおかしいんです』
   と、訴えても、『じゃあ、しばらく様子をみておきます』と。何の進展もない対応だったんですね」 
 
  SOSを出した時点で、もはや、平常心ではなく、頭の中が真っ白で、とても授業なんか集中できない様子を担任は聞き流しました。

 いじめはたった1日でも生き地獄


  「いま起きているさまざまないじめの内容を知るにつけ、わたしは虐待だなと、親からの暴力でなくても、学校の中でおこなわれていることでも、
   これは虐待だと実感しているわけです・・・・・・(香澄)は一年生でした。入学後3か月半たってのちに横死したのです。香澄にとっての3か月半
   の間の煩悶時期について、大勢の大人たちは「あっという間ね」と、お返事がかえってまいりました。しかし、いじめといった言葉を「虐待」とい
   った単語に置き換えていただければ、こころと身体への暴力につきましては、たった1回でも、たった1日でありましても、当事者につきまして
   は一日一日が生き地獄です。その「あっという間ね」といった言葉の表現がわたしたち遺族たちには、とうてい理解しにくいものです」
 
                                                                                      
 いじめ問題
                                      和歌山市立城東中学校 3年          丸谷 康政

           僕は、たまにテレビで「人権」ということを耳にします。
           最初の方は「人権というのは大切なものなんだな。」と思っていたけど、その時は「人権」
          の意味があまり分かっていませんでした。
           今までh「人権」の意味があまり分かっていませんでした。
           今までは「人権」の意味が分かっていなかったけど、辞典で意味を調べると、
           
           人間がうまれながらに持っている生存・自由・平等などの権利。
           と買いていたので今回初めて人権の意味が深く分かりました。

           ところで、この「人間が生まれながらにして持っている人権」を守らない問題が起きています。
           それは、いじめ問題、障害者問題、同和問題、老人問題、男女差別問題、戦争と平和の問題など
          まだ数多くの問題があります。

           その中でも今日は、「いじめ問題」について取り上げて見たいと思います。
           何年か前はテレビで、中・高校生がいじめにたえきれずに自殺というニュースが数多く出され、その
          中に小学生までが自殺をしていました。

           このいじめられている人は、自殺を決意するまでに、友達の誰かが、そのことについて相談するか、
          勇気を出してそのいじめを止めるかすれば、そんな悲しい結果が出なかったかもしれません。

           たしかに、いじめる人が一番悪いけど、そのいじめを知っているのに、知らないふりをしている周りの
          人も、いじめているのと同罪になると思います。

           いじめている人も、ストレス発散になるからと言うけど、自分がいじめてる人の気持ちが分かっていな
          いから、どんどんエスカレートしていって自殺まで追い込んで行ってしまうんだと思います。

           でも、いじめをこのまま放っておくわけにはいかないので、そのために勇気をだすことが一番効果が
          あります。

           このいじめを止める勇気を出すことは、並大抵のことでは出来ません。

           しかし、この勇気で友達が助かると思えば簡単なことです。

           これからも僕の周りの中でいじめが起こる可能性もあるので、この勇気で友達を一人でも多くいじめ
          から助けたいです。

          

                                                                 

                かなし妹を いづち行かめと 山菅の そがひに寝しく 今し悔しも





 家庭内事故防止のための「京(みやこ)あんしんこども館」

 

    このこども館づくりに奔走した中心人物が、第二日赤の長村敏生小児神経科医で、30年ほど前の1990年から第二日赤に勤務し、
   小児救急の最前線で数多の重症患者を診察されています。

 次々に救急搬送されてくる子どもたち

             長村小児神経科医師は、小児救急の現場で時間に関係なく駆け込んでくる患者のさまざまな局面に立たされました。
             心肺停止。あるときは、体が冷たくなって運ばれてくる重篤なケースもありました。

             一般に、心停止から4分をすぎると、救命率は50%以下になるといわれます。一方、119番通報後の救急車の現場
            への到着は、全国平均で8〜9分。脳に後遺症を残さないためには、心停止から4分以内の心肺蘇生がカギを握ります。

             呼吸停止となりました女児が第二日赤に搬送されてきました。蘇生によって心拍は再開しましたが、入院から10日後
            小さな生命は消えてしまいました。
             「子どもの口にボールがぎりぎり入るから危ないんです。ゴムボール以外にも、おもちゃもあります。おはじきとかね。
              これはいけない。と、こどもの口の中に入る可能性のあるものは、手が届かないところに収納することを復及しなけれ
             ばいけない。と、そう思いました」

 「人形相手の蘇生ならできる、生の人間では怖い」

             1997年夏から秋、長村小児神経科医師は、出産後に第二日赤病院に入院中だった17〜40歳のお母さんたちを対象に
            小さな子どもたちの母たちが、救命のための知識や技量がどれくらいご存じですかといった、興味深い調査を手掛けました。

 「育児相談から見えてきた「事故防止の核心」

             男の子2人を育てながら第二日赤の消化器内科で看護師さんとして30年以上のキャリアを積んでこられた中辻さんは、

              「例えば、集中治療室に入ると、心筋梗塞の患者さんがいたとしたら、心電図が読めないとあかんのですよ。様子見で
               いいのか、すぐ対応しないといけないのか、判断を任されるわけですよ。処置を」責任を持ってしなあかん。心電図が
               読めへんかったら、その判断もできへんし」

              「家の事情とか分かるからね」つまるところ、家庭内で起きる不慮の事故の背景が見えるようです。

              中辻さん  「こどもにイラっとするやろ?」

              おかあさん 「はい、します」

              中辻さん  「そうだよね」

              中辻さん  「おこった後、こどもの姿見てたら、反省するやろ」

              おかあさん 「します」

              ・・・・・・そこには親の心理的な状況変化が表れています。

              中辻さん  「この親はまだ大丈夫やな」

  小学校で「心肺蘇生」の授業を

              長村小児神経科医師は2022年春に第二日赤を退職され、

           
    
 


   「こども家庭庁CDR実現するか

   
 岸田首相が施政方針演説で言及  
        

 2022年1月17日に招集された第800回国会。その施政方針演説で岸田文雄首相は、「こどもの死因究明」といった8文字をおっしゃいました。

       こども政策をわが国のど真ん中に据えていくため、「こども家庭庁」を創設します。
       
       こども家庭庁が主導し、縦割り行政の中で進まなかった、教育や保育の現場で、
     
      性犯罪歴の証明を求める日本版DBS、 こどもの死因究明、制度横断・年齢横断

       の教育・福祉・家庭を通じた、こどもデーター連携、地域における障害児への総合
      
      支援体制の構築を進めます。
       
  自見英子参議院議員は、岸田さんがこのことばを演説にもりこんだことは、素直にうれしかった。

       「日本のCDRの取り組みはうまくいくと、私は信じています。(こうしたタイミングで)こども家庭庁ができることは大きな前進です」

  それは、「こども家庭庁」が最後の一押しの役目を果たせるからと、いった理由からです。

 やりたくても法律がなければ動けない

 遺族・吉川吉川優子さんとの出会


 こども家庭庁の創設と課題

 CDRの根拠となる法律

 ・2018年12月  生育基本法
 ・2019年 6月  死因究明等推進基本法

 こども家庭庁の創設と課題

 2023年4月に省庁横断的な施策を可能にする「こども家庭庁の創設が決定いたしました。

 しかし、自見英子参議院議員は問題を提起しました。

  「そもそも日本の解剖率は他の先進諸国と比べて低い。行われたとしても、質は予算不足を反映したレベルになっていることが、
  長年にわたつて指摘されています。
   2007年、大相撲の時津風部屋で新弟子(当時17歳)が部屋での暴行によって死亡してしまいいました。
当初は病死と判断されたこの事件をきっかけとして、死因究明を推進する法律はいくつかでき
   ましたけれども、それでもちっとも前進していないらしいのです。」

   「解剖に関わる予算が少ない。所轄する警察が解剖に結びつける努力をしなければいけない。
    事件性があるのかどうか、ちよっとわからないグレーゾーンの解剖を、調査法解剖というんです。でも、
   法律を作ったのに、復旧しないんですよね。だから、本当にCDRをやろうと思ったら、調査法解剖も同時に
   あまねく受け入れるような体制にしないとまずい」
  
  

平成二十四年法律第三十四号
警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律




こども家庭庁