妻 |
康政、どこへ行ってたの。 |
康政 |
ちょっと。で、お母さんいまから30分だけ遊びにいかして。お願いやから。 |
母親といつものごとくいい競っていましたが、康政の方がめずらしく意思を通すと、昼食も食べずに飛び出していきました。 ところが30分という予定が夕刻まで帰ってきませんでした。まだ約束を破るならよいのですが、頭が痛いといいだしました。 |
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母 |
お父さん、たいへん。康政風邪やで。 |
私 |
あほいうな。いままで遊んできたのに、おかしいやないか。塾休みたいんやろ。 |
母 |
康政熱38度あるんよ。だいぶんしんどそうにしてるんで、お医者さんに連れて行きたいんやけど。 |
私 |
そんなもん、そこらへ寝かせとけ。 |
母 |
お父さん、肺炎になったらどうするんよ。 |
私 |
康政、おまえ、しんどかったらなぜ早く帰ってこなんだ。 |
康政 |
・・・・・・・・・・ |
私 |
なんか云わんかい。 |
康政 |
・・・・・・・・・・ |
母 |
t 先生亡くなってしもたんで、他のお医者さんあれへんか。 |
私 |
Kクリニックへ行ったらどうや。 |
Kクリニックから帰ってくると康政は塾の夜の部を休みたいといいました。 このとき私が塾へ連れて行ってやればよかったのですが、常連さん達の相手でつい話をすることが できなかったのです。お客さんが帰って康政に |
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私 |
康政しんどいんか。塾休むか。 |
康政 |
うなづく |
私 |
ほいたら今からぐっすり寝よ。そしてあしたまで直してみろ。これも受験勉強の一つや。 |
康政 |
うん。 |
康政はうなづくと階段をドドドとかけ上り、夕食もとらず寝てしまいました。そして最後に母親が病気のことをきくと |
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康政 |
お母さん、だいぶ楽になったよ。 |
こう云って寝ってしまったのです。いつもなら午前1:00時頃まで彼に付き合っていたのですが、つい私達も 寝ってしまいました。そして、黎明期に家内より連絡がありました。 |