生命の手記


     神奈川県横浜市 母
「生命のメッセージ」とは一体何の事か。
生きているもの全てそのメッセージをもっているはずでが、生きて発信しているメッ セージとは遙かに比べる事の出来ない大きなエネルギーをもっているものがあります。
それが死者達からのメッセージです。

しかし私達遺族は、彼らの死をただ単に死者という表現はしません。
死に追いつめられた後も、とても多くの事を伝えてくれる「メッセンジャー」と呼んでいます。
肉体は無くとも、確かに彼らはとてつもない大きな宝を遺し、私達に大いなる気づきのきっかけを提供し生き続けています。

そんな事を確信している今の自分ですが、代表の鈴木共子さんから「香澄ちゃんも一緒に旅に出ましょう」という誘いを受けた時には大きな戸惑いがありました。
その理由は娘の死因です。
我が子はいじめによる自殺なのです。

何人かの遺族から「うちの子は殺されたのに、香澄ちゃんは自分で死んだ。もっと強 く生きて欲しかった」と言われた事がありました。
「そうじゃない、香澄は生きたかったんだ。いじめ続けられている内に心を病気にされたんだ。」と、声にならない声で叫びました。
ですから、しばらくは犯罪被害者の方々が集まる所へは、視線が怖くて足を運ぶ事が出来ませんでした。

しかし鈴木代表は「いじめは犯罪よ。香澄ちゃんは殺されたのよ。」とはっきり言ってくれたのです。
今では、「生命のメッセージ展」が御縁で多くの遺族の方と出逢う事が出来、心の交流をさせて頂いています。
生きるエネルギーまでも得る事が出来ました。

そして、心の傷でも人が死ぬ事があるという事を伝えたいと思い、私達夫婦も、NPO法人ジェントルハートプロジェクトを立ち上げました。
「こころも体も、人が人を傷付けてはならない、傷つけて良い理由は一つも無い」また「謝罪の大切さ」という当たり前の事を学校やPTAなど様々な講演会などを通して伝え続けています。

次の時代が少しでも犯罪が少なくなるよう、これからの時代を創る子どもたちのこころに「優しい心の大切さ」を届けていこうと思います。

生きる者全て、平等に幸せになる権利を持っています。
その重要さを圧倒的なインパクトを持って伝える命があります。
今も息づき、あなたの心へ何かを確実に届けるでしょう。
それが「生命のメッセージ展」のオブジェ達です。


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