生命の手記



     生命の手記 編集後記

 42回の投稿全ての編集作業をしていく中で、私たち記者にとって何が大切なのか、記事をつくっていく上での重点が何なのかを改めて思い知らされた気がする。究極は「人命を守る」こと。
 事件事故、災害はもちろん、生活不安を苦にした自殺や過労死は経済問題であり、いじめの舞台の多くが学校で、虐待被害の多くは子どもであることをみれば教育問題もそう。多くの命が奪われる戦争の原因は政治だ。これら問題が「命」と関連していることを常に意識する必要がある。
 社会が悪い方向に進んでいれば軌道修正しなければならない。そのための一歩は私たちが声をあげること。それを教えてくれた生命のメッセージ展の「メッセンジャー」たち。
 全国23カ所の開催で、その「声なき声」は多くの人の心を動かした。本誌連載への反響も大きく、県外の運送会社からは、「手記を社内報に掲載してドライバーの安全意識を高めたい」と手記転用依頼もあった。
 殺伐とした社会に命を奪われたメッセンジャーたちだが、この声は息づいている。命ある者はそのメッセージを聞き、これ以上のメッセンジャーをつくらない社会をつくっていく使命がある。
  声をあげよう。私たち記者はその声をひろい、拡大する。戸惑っている人は一度、生命のメッセージ展会場に足を運び、メッセンジャーたちと話してほしい。きっと勇気をくれる。



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