生命の手記


新聞記者からのメッセージ
わかやま新報の記者様から参加家族宛メッセージ

 本当に貴重な意見だと思い、皆さんの手記を真摯に受け止めています。
辛い悲しみを抱えた皆さんとその重みは違いますが、私も今の社会に対する不満、政治や国家権力に対して批判の意見をもつ一人です。そして特に今、大きな危機感をもっています。子どもを取り巻く環境や国の情勢、権力者の醜態ぶりなど、日本は間違いなく誤った方向に進んでいます。小さい地方紙の記者ではありますが、その軌道修正をしたいと、日々取材活動に励んで?います。その中で皆さんの手記を紙面で発表できるということについては大きな意義があると私は考えています。

 最初、手記掲載にあたって部内では慎重論もありました。しかし、真実の訴えを、苦しみを、悲しみを、怒りを、包み隠さず伝えていくことが本当のジャーナリズムではないか、そうしないと本当の意味の警鐘は鳴らせないのではないかと半ばごり押ししてしまいました。

 私は正解だったと思います。
 報道部には数人の中年女性がいますが、みんな涙していました。読者からも「車の運転には気をつけます」「辛いです」「メッセージ展には必ず行きます」などの声も届くようになりました。確実に皆さんの訴えは届いています。

 記者として最終的に守るべきものは何かと聞かれたら、迷わずに命だといいます。だから事件事故は起きてはならないし、戦争はダメだと言う。最優先は人命であって、それを侵そうとする者は倒さなくてはならない。しかし、その命の尊さは分かっているようで分かっていないのかも知れません。だから皆さんの声が大切であり、貴重だと思っています。多分、皆さんの訴えも「これ以上悲しみは増やさないで」だと思います。
 同じ思いを伝える者として、方法は違えどともに頑張りましょう。

 私も一男一女の父親です。皆さんに出会ってから、申し訳ないですがこれまで以上に幸せを実感できるようになりました。子どもを叱ること、子ども同士の喧嘩を眺めること、いってらっしゃいの声があること、多分これまで幸せと感じていなかった日常の些細な出来事をそう実感する毎日になったと思います。と同時にこれを守る使命感が強くなりました。皆さんにとっては皮肉なことだとは思いますがお許しください。

 全国で生命のメッセージ展が成功することをこの和歌山の地で応援しています。
 そして、今秋にも和歌山で皆さんに出会えることを楽しみにしています。
わかやま新報記者 藤原無我



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