生命のメッセージ展in和歌山

ニュース和歌山掲載文より

        
 犯罪や交通事故で亡くなった人の写真や文、遺品を、その人の等身大のオブジェに添え展示する「生命(いのち)のメッセージ展」が10月9日(土)、10日(日)の2日間、和歌山市和歌浦南のアートキューブで開かれる。故人の“生きた証”を通じ、生命や、被害者遺族を取り巻く社会の仕組みを考えてもらうのが目的。実行委員会の丸谷光生さんは「いざ交通事故、事件の被害者遺族の立場になると、どういう状況に置かれるか知ってもらい、生きる知恵に変えて欲しい」と訴えている。

       
丸谷さん 生命のメッセージ展は2000年、神奈川県の造形作家、鈴木共子さんが、大学生の息子を交通事故で亡くし、無念さを訴えるために組んだキャラバンをきっかけに始まった。展示には、事故や事件の犠牲になった人の等身大人型オブジェに、写真や文章を添え、愛用していた靴をそろえる。
 当初、展示は数体だったが、2001年の東京を皮切りに全国を巡回し始めると、遺族から出展希望が寄せられ、現在は121体で各地を回っている。昨年(2003年)2月には国会議事堂で開かれ、見学する学校が増えている。
 訪れた人からは「これだけの命が理不尽に失われている現実に言葉を失った。『命は大切に』との言葉ではくくれない」「事故では加害者の態度や警察側の対応が悪く被害者側の気持ちが伝わらない。いじめでも被害に遭った方が悪いと言われたり、悲しいことが絶えず起きている。命への考え方が変わりました」と感想が寄せられている。 
 和歌山で実行委員を務める丸谷さんは1999年12月に息子の康政くん(当時15歳)を亡くした。警察からは「ビル3階からの飛び降り自殺」と言われた。しかし、丸谷さんは、康政くんが集中治療室で治療中だったにもかかわらず、警察が「それでは自殺ということで…」と調書を作ろうとしたことや、警官が警察手帳を示さず心ない発言をしたことに疑問を抱き、やり場のない思いにさいなまれた。妻のるみさんも「周囲からも理解されなかった。『警察がそんなこと言うわけがない。聞き間違えだ』と言われたこともあった」という。
 丸谷さん夫婦がメッセージ展を初めて見たのは2001年の大阪門真市。「交通事故でも被害者が死んでしまうと“死人に口なし”。加害者の声に偏って調書が作られる。その現実と仕組みを展示で目の当たりにした」と振り返る。光生さんは「法の不条理や警察や行政の対応に不満を持つ人は多い。泣き寝入りを当然にしては我が子の死が無駄になる」と和歌山での開催を決意した。
 展示は9日、10日とも午前9時半から午後6時まで。両日とも午後1時から遺族によるスピーチがある。また、松原時夫さん、山口隆章さんの写真展、ピアノコンサート、10日午前9時半から琉球古武術保存会県支部の奉納演武を予定しており、様々な人に足を運んでもらうよう図った。
 るみさんは「展示で目にしたメッセージがいつか、人生のなかで生きる瞬間があるはず。愛する人を守るために役立ててもらえば、亡くなった人の命はそこで生きます」と望んでいる。問い合わせは丸谷さん(073・422・4329)。

写真=「被害者遺族の置かれる立場を知って」と語る丸谷さん)

ニュース和歌山掲載文より
犯罪被害者の生きた証  「生命のメッセージ展」開催
        
 犯罪や交通事故で亡くなった人の写真や遺品などを展示する「生命(いのち)のメッセージ展」が10月9日、10日の2日間、和歌山市和歌浦南のアートキューブで開かれた。
 同展は、生命の大切さや、被害者遺族の置かれる社会状況を知ってもらおうと、2001年から全国を巡回している。和歌山市では、5年前に息子の康政さんを亡くした丸谷光生さんらが実行委員となり初めての開催にこぎつけた。
 会場には、亡くなった人の等身大オブジェ121体に、写真や文章、生前に履いていた靴などをそえて展示。来場者は、突然の事件で思いや夢を断たれた被害者の姿に涙を浮かべ、すすり泣く人もみられた。
 10日には、少年による集団リンチ事件で長男を亡くした埼玉の飯島京子さんがスピーチ。少年院を出てきた加害者と面談し、「事件は過去のものになっているか」と聞くと、加害者が「はい」と答えたことを語り、「少年院で規則正しい生活以外に何を教えているのか疑問に思った。いくら少年でも、罪を犯したことを本当に自覚させることが必要」と訴えた。

写真=等身大オブジェ、靴を展示)

       
オブジェと向き合う大橋健一和歌山市長

 2004.10.9〜10「生命のメッセージ展」IN和歌山を無事大成功にて開催できたことを心より感謝もうしあげます。会場では途切れることなく来場者があふれ一歩足を踏み入れるとなくなった人々の無念を無言で語るレクイエム「生命のメッセージ展」を受け止めて頂き「続けて行かなければならないものである」と感想をいただきました。和歌山新報 和歌山放送 ニュース和歌山 毎日新聞 読売新聞 朝日新聞 産経新聞 関西テレビ テレビ和歌山などご協力頂きました。学校長、教頭の来場は未来を生きる子供達にも「生命のメッセージ」が届くだろうと希望を頂きました。最後に私共の息子の事件を知りながら和歌山県、和歌山県教育委員会、和歌山市、和歌山市教育委員会の後援を頂けたことは 「人間として大切なものは何か」向き合う姿勢を見せていただけたことを心より感謝もうしあげます。
ご来場してくださった皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

「生命のメッセージ展」IN和歌山に参加されためいめいの家族の声が、2003年11月〜2004年10月までのあいだ「わかやま新報」に掲載されました。すると、法務省からわたしたちのもとに、この声を矯正教育に役立てたいとの依頼を頂きました。死者から発信する怨念の声を世の中に対して、伝えたいと言う康政の願いがようやく一つの形になったことと喜んでいます。
しかし、昨今の薬物依存症の前科者たちは、私と共生出来そうもありません。このわけは、警察官たちがこの者たちをはじめから色メガネで見下しているのが実情だからです。従って、彼らの生きる方法は、権威者の手先となり下がる以外に方法がないのが実際の真相です。≪くんしあやうきにちかよらず≫

生命のメッセージ展のHP


「生命のメッセージ展」開催地域 (2001〜2005年)

2001年     
  東京駅八重洲広場
  静岡県浜松市
  神奈川県座間市
  大阪府門真市
  奈良県生駒市
  奈良高専学園祭
  大阪市阿倍野区
  
2002年
  山口県防府市
  神奈川県横浜市
  北海道札幌市
  神奈川県川崎市
  栃木県宇都宮市
  千葉県千葉市
  秋田県秋田市

2003年 
  国会  http://www.inochi-message.com/~kokkai/   
       前回「生命のメッセージ展 in 国会」の様子
  高知県高知市
  長崎県長崎市
  熊本県熊本市
  滋賀県大津市
  長野県長野市

2004年 
  愛知県名古屋市
  静岡県静岡市
  青森県青森市
  和歌山県和歌山市にて開催  2004年10月9日(土)〜10日(日)
  早稲田大学

2005年
  山口県防府市
  三重県津市
  岐阜県高山市
  広島県広島市
  群馬県高崎市
  生命のメッセージ展in早稲田大学

2006年


  国会パート2 http://www.inochi-message.com/~kokkai

「生命のメッセージ展」のHPでは、今までの開催地や今後の開催予定が見ることが出来ます。

天国への手紙

「天国の手紙」は 和歌山開催に来場されたみなさんが 感想など書いてくださいました。

報道

和歌山開催に 協力してくださいました。

和歌の浦アートキューブ

開催準備10月8日から、開催中のお手伝い また終了時の片付けなど
和歌山開催実行委員のみなさんだけでなく、遠方から駆け付けてくれた
遺族の方々、和歌山大学の学生さん、早稲田大学の学生さんが協力し
てくださいました。
10月8日の準備風景
もう、これから増えることのない 楽しかった時間を収めた写真が
キューブとして組み立てられています。
亡くなった人がパネルとなって 再び天国からメッセージを届けます。
等身大のパネルとなったメッセンジャーと語りながらの準備でした。
高校生の来場者もたくさん来てくださいました。
天国への手紙にも書かれているように、テレビや新聞や本では分からなかった
事を知り、しっかり自分の「生きる」力を確認しててもらえたように思います。
高校生の方が メッセンジャーの為にピアノを聞かさせてくれました。
来場者の方々が 素晴らしい調べに感動されていました。
心のこもった音楽ややさしさそして自然ほど 人を支えてくれるものはありません。
9歳の男の子、に囲まれて 息子、丸谷康政が 和歌山に帰って来ました。
「生命」「真実」「心」「生きる」・・・大切な生命のメッセージを伝えました。
会場に入った瞬間・・・言葉にならない空気が流れていることを感じた人が
多かったようです。
パネルのメッセンジャーが まるで生きているようだと感じたそうです。
メッセンジャー達の声が 届いたのでしょうか・・・この声がいつまでも みなさんの心の中で生きていることを願っています。そして いつか長い人生の中、役立つ時が来たならば メッセンジャー達が支えてくれる事を祈っています。
 
長野県の子供を亡くされた お母さんが被害者の気持ちや法律の流れなどを話してくれました。
お母さんは亡くなった息子さんを思い どれだけ涙を流してきたでしょう

考えてほしい事があります。それは、 一瞬の過失で人の命が断たれ
「終わった」としても、被害者にとって 悲しみや苦しみは「始まる」と
言うことです。それも、生きる限り 戻れないものがある。 

被害者になって・・・・
風の匂いが、季節の風景が、残酷な事件を蘇らせます。気にならなかった 
感覚が敏感になり、「真実」を見極めます。
それは きっと伝えたい言葉が亡き息子、丸谷康政にあるからだと思って
います。母と子の絆は生きる世界が違っても切れることはなく、目に見え
ない息子と共に生きている感じがします。
こんな時、あの子は何を言う?どうする?・・・うんうん 「お母さん どこ?」
「お母さん 今日なに?」「お母さん、お茶!」「お母さん、おとん(お父さん)どこ?」「おとん、キャッチャボールしに行こ」・・・聞こえるはずのない声が
胸に響きます。 

和歌山市長 ご夫妻も来場してくださいました。

和歌山市教育長の ご挨拶から始まった「生命のメッセージ展」IN和歌山
は写真展、ピアノ演奏、武道演舞の協力、そして1年かけて準備を助けて
くださったみなさん 遠方から駆け付けてくださった被害者遺族のみなさん
 和歌山大学、早稲田大学のみなさん そして台風直撃の警戒をききながらの来場者のみなさん、多くの人達に 助けていただきました。
一番大切な事を伝えることができて感動しました。

どんなに感動しても悲しいかな 亡くなった子供達の命は帰ってきません
しかし、亡くなった子供に恥じないように 「なにくそ!」と思って生きて
います。
諦めない、言い続ける事、多くの人に伝えることいっぱいあります。
被害者の多くの人達は 泣きながら苦しみながら あきらめません。
どうぞ みなさん 力を貸してください。


和歌山新報掲載文  

「生命のメッセージ展」
和歌山開催に向け準備スタート
「生命の尊さを考えて」
犯罪・事故被害者の遺品などを展示

 交通事故や犯罪などの被害者の家族が全国各地で開催している”生命の重さ”を伝える「生命(いのち)のメッセージ展」が、H,16年十月の九、十両日に和歌山市で開かれる(会場は調整中)。その第一回目の実行委員会が二日、同市内で行われ、和歌山開催に向けた本格的な準備がスタートした。

 「生命のメッセージ展」は、犯罪や事故などの被害者の等身大人型パネル(オブジェ)と、遺品の靴が展示。
靴は故人の足跡を伝える「生きた証の象徴」とするメーンの展示物のひとつ。

 オブジェには故人の作文や詩、夢のほか、遺族のメッセージなどが添えられ、命の重さや遺族の苦しみ、悲しみ、社会への疑問などが綴られている。

 今月開催される長野県が二十回目を数え、これまでに国会でも開かれ、国会議員らも訪れた。来場者が命のいとおしさを託してつないできた赤い毛糸はバスケットボール大になり、多くの人の理解を得られている。
 二十三回目の開催となる予定の和歌山開催は、平成十一年十二月末に長男の康政さん(当時15歳)を亡くした和歌山市の丸谷光生(47)、るみさん(46)夫婦が中心になって準備。康政さんの死を「自殺」と結論づけた警察の捜査に疑問を抱く丸谷さん夫婦は遺族や被害者の心に添った社会の実現」を願い、同展の活動に携わるとともに和歌山開催を目指してきた。

 るみさんは「薄れること、忘れることのない残酷な光景を知っているから生命の尊さを深く伝えられると考えている。生命のメッセージを遺して逝ってしまった魂を自身の目で、心で感じ、考えてもらえれば」と話す。

 第一回実行委員会には、生命のメッセージ展実行委員会大阪事務所の担当者や、県内の動物愛護団体の関係者、丸谷さんの知人で開催協力者ら約十五人が集まり、開催に向けて関係団体への協力要請や開催資金調達のための募金活動の展開、広報活動などについて話し合った。

 和歌山開催では全国から百四十のオブジェが集まる予定で、一部の遺族らも会場に詰める。また「生命の尊さ」を考えるイベントの同時開催も検討中で、同実行委員会では「生命のメッセージ展は理不尽に生命を失った者へのレクイエムであり、私たちの反省であり、尊い生命が守られる夢の世界への道しるべです」と多くの人の理解を求めている。

問い合わせは
「生命のメッセージ展in和歌山」連絡所
(和歌山市友田町4-20 TEL&FAX:073-422-4329)へ。

 

「生命のメッセージ展」から出版された「いのち、未来へ」への掲載文
丸谷康政 15歳 Yasumasa Marutani
15歳の息子 丸谷康政が死んでしまう!と言う恐怖といったい
息子に何が起こったのか信じられない26時間の出来事でした。

康政はICU(集中治療室)の中で”生きたい”と精一杯頑張っ
ている時、消毒用エプロンも付けず警察手帳も持たない6人の私
服の警察官が調書に署名、捺印しなさいと言ってきました。
ICUにずかずかと「土足」で入り込む非常識な警察官
「それでは自殺ということで」と最後のむごい一言・・・・
私はこの残酷で冷血な警察の言動 行動を忘れる事ができません
「康政は死ぬ前に警察の書類で先に殺されてしもたわ」
それが私の感想です。

後で分かった事ですが 警察の書類には言った事とは全く違う言
葉が記入され 救急隊の書類にも私は会ってもいない 見てもい
ない救急隊員との会話文が記載されている事が判明しました。
息子のケガの状態は警察官が言うビルの3階から転落したものとは
思えないものでした。司法解剖もしてもらえませんでした。
「なぜ してくれなかったのですか?」と聞くと「警察は24時間
しか権利がないのです。お宅の息子さんは2時間オーバーして生き
たからです」と説明されました。
そんな納得の行かないたくさんの疑問を再捜査要望書にまとめて
提出しましたが、1年余り経った今も警察からは何の連絡も返答も
ありません。

この様に息子を亡くして初めて、被害に遭った者が警察の心無い
捜査で真実を知る事ができない現実を知りました。
私は今もICUで見た息子の涙を思い出す度、心がつぶれそうな
思いです。真実が解らないから、今も心はあの日から進めない。

                              丸谷康政 母




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